院長ブログ

フルミストは9月に接種しても冬までもつ? 効果期間を医師が解説

掲載日:2026/09/14

最終更新日:2026/09/14

熊本でのフルミスト予防接種|約1年間の効果が期待でき、流行前の早めの接種がおすすめ

「フルミストを9月に接種すると、 インフルエンザが本格的に流行する冬まで効果がもたないのでは?」 と心配される保護者の方もいらっしゃると思います。

フルミストは、鼻から接種する 経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(LAIV)です。 過去の研究では、接種後数か月だけでなく、 9~12か月後にも予防効果が確認されたデータ があります。

そのため、インフルエンザがすでに流行し始めている状況では、 「冬まで効果を残すために接種を遅らせる」ことだけが 必ずしも最善とは限りません。

この記事では、フルミストの効果期間について、 小児を対象とした研究データをもとに分かりやすく解説します。

この記事のポイント
  • フルミストは接種後すぐに効果が最大になるわけではありません
  • 研究では9~12か月後にも一定の予防効果が確認されています
  • 「1年間必ず効く」という意味ではありません
  • 9月の接種が「早すぎる」とは一概にいえません
  • すでに流行が始まっている場合は、早めの接種にもメリットがあります

フルミストとは?

フルミストは、左右の鼻腔に噴霧して接種する 弱毒生インフルエンザワクチンです。

日本では2歳以上19歳未満を対象として使用され、 注射針を使わず鼻から接種できることが大きな特徴です。

接種方法
鼻腔内への噴霧
対象年齢
2歳以上19歳未満
接種回数
原則1回
当院料金
6,500円(税込)

※接種できない方や、事前に医師への相談が必要な場合があります。 詳細はフルミスト専用ページをご確認ください。

フルミストの効果はどのくらい続く?

インフルエンザワクチンについて、 「接種から数か月すると急に効果がなくなる」 というイメージをお持ちの方も少なくありません。

しかし、フルミストを含む経鼻弱毒生インフルエンザワクチンでは、 比較的長期間にわたって予防効果が確認された研究 があります。

研究データでは 接種9~12か月後にも
予防効果が確認されています

ただし、これは 「フルミストを1回接種すれば、1年間ずっと同じ強さで インフルエンザを防げる」 という意味ではありません。

インフルエンザワクチンの有効性は、 年齢、流行しているウイルス株、 ワクチン株との一致度などによって変化します。

研究① 9~12か月後にも予防効果が確認

小児を対象とした経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの研究をまとめた報告では、 接種してからの時間と予防効果について検討されています。

その結果、ワクチン株と抗原性が近いインフルエンザA型に対して、 接種9~12か月後にも予防効果が確認 されました。

主な研究結果

A/H1N1およびA/H3N2に対して、 接種9~12か月後でも予防効果が認められた と報告されています。

また、最初のシーズンに接種し、 翌シーズンに追加接種を行わなかった小児でも、 一部の研究では翌シーズンまで一定の残存効果が認められています。

したがって、 「9月に接種したら1月や2月には効果がなくなってしまう」 と単純に考える必要はありません。

研究② 接種から時間が経過しても効果が確認された報告

別の小児を対象とした研究では、 LAIVと注射型インフルエンザワクチンについて、 接種後の経過時間別に有効性が検討されています。

この研究でも、 フルミストと同じタイプのLAIVについて、 接種後4~8か月の期間にも予防効果 が認められています。

これらの研究から、 フルミストの効果を 「接種して数か月しか続かないもの」と 一律に考える必要はないと考えられます。

「フルミストは1年間効く」と考えてよい?

結論

「1年間必ず同じ効果が続く」と断定するのは適切ではありません。

研究では9~12か月後にも一定の予防効果が確認されていますが、 インフルエンザワクチンの有効性は、 流行するウイルスの種類やワクチン株との一致度によって変化します。

そのため、

  • 効果が約1年間持続する可能性を示す研究データがある
  • 冬まで効果がもたないから9月接種は早すぎる、とは言えない
  • 一方で、1年間の感染予防を保証するものではない

という理解が適切です。

では、9月にフルミストを接種しても早すぎない?

9月にフルミストを接種することが、 一律に「早すぎる」とは考えていません。

特に、すでに地域でインフルエンザの患者さんが増えている場合には、 「12月や1月まで効果を残すために接種を遅らせる」ことで、 それまでの期間に感染してしまう可能性があります。

9月 接種
流行
流行期
流行継続

LAIVには長期間の効果を示す研究データがあるため、 流行状況を踏まえれば、 流行が始まる前、あるいは流行初期に接種を済ませておく ことには合理性があります。

早めの接種を検討してよいお子さん

特に次のような場合は、 早めの接種を検討してもよいでしょう。

  • 学校・幼稚園・保育園など集団生活をしている
  • 周囲ですでにインフルエンザが流行している
  • 秋から冬に旅行・受験・大会など大切な予定がある
  • 注射を非常に嫌がる
  • 接種を先延ばしにして、そのまま接種機会を逃したくない

フルミストの効果期間についてよくある質問

9月に接種すると1月や2月には効果がなくなりませんか?

研究では、LAIVについて接種9~12か月後にも 一定の予防効果が確認されています。 そのため「9月に接種すると冬には効果がなくなる」 と単純に考える必要はありません。 ただし、効果には個人差があり、 流行株との一致度などによっても変化します。

フルミストは本当に1年間効くのですか?

「1年間確実に感染を防ぐ」という意味ではありません。 一方で、9~12か月後や翌シーズンにも 一定の予防効果が確認された研究があります。 「比較的長期間の効果が期待できる可能性がある」 と理解するのが適切です。

それなら毎年接種しなくてもよいですか?

いいえ。 インフルエンザウイルスは毎年流行株が変化するため、 基本的にはそのシーズンのワクチンを毎年接種します。

接種後すぐに効果がありますか?

接種直後から十分な免疫が得られるわけではありません。 流行が始まってから慌てて接種するよりも、 余裕をもって接種を済ませておくことが大切です。

まとめ|「冬までもつか」を心配して接種を遅らせる必要はありません

フルミストを含む経鼻弱毒生インフルエンザワクチンでは、 接種後9~12か月にも予防効果が確認された研究 があります。

もちろん、 「1回接種すれば1年間インフルエンザにかからない」 という意味ではありません。

しかし、 「9月に接種すると冬まで効果がもたないのではないか」 という理由だけで接種を遅らせる必要はないと考えられます。

特にインフルエンザがすでに流行し始めている場合には、 接種を待っている間に感染する可能性もあります。 流行状況とお子さんの予定を考えながら、 接種時期を検討しましょう。

2026年度

フルミスト接種予約受付中

接種料金 6,500円(税込)

対象:2歳以上19歳未満
接種回数:原則1回

在庫に限りがありますので、 早めのご予約をおすすめします。

参考文献

  1. Ambrose CS, et al. Duration of protection provided by live attenuated influenza vaccine in children. Pediatr Infect Dis J. 2008;27(8):744-748.
  2. Ambrose CS, et al. The efficacy of live attenuated and inactivated influenza vaccines in children as a function of time postvaccination. Pediatr Infect Dis J. 2010;29(9):806-811.
  3. Caspard H, et al. A systematic review of the efficacy of live attenuated influenza vaccine upon revaccination of children. Hum Vaccin Immunother. 2016;12(7):1721-1727.

※研究結果は集団としてのワクチン有効性を示すものであり、 個々の接種者に同じ効果期間を保証するものではありません。 また、ワクチンの有効性は、流行株やワクチン株との一致度などによって 変化します。


文責・監修

力合クリニック
院長 堀尾 雄甲
医学博士

日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医・指導医
日本アレルギー学会 専門医
日本呼吸器内視鏡学会 専門医・指導医
日本医師会 認定産業医